米連邦準備制度理事会(FRB)は30日、連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り政策金利の据え置きを決定し、フェデラルファンド金利を3.50%〜3.75%に維持した。ただ、決定は賛否の拡大や地政学的リスクに対する強い警告によってかすんだ。
今回のFOMCで最も重要な点は、これまで数か月にわたりFRBが政策声明でインフレについて「やや高い水準」と表現してきたが、その文言が本日変更されたことだ。
FRB、政策金利を据え置き 市場の反応
エネルギー価格の上昇を受け、FRBは現在「インフレ率は高い水準にあり、コスト圧力が再燃している」としている。
「インフレ率は高い水準にあり、一部は直近の世界的なエネルギー価格の上昇を反映している」と本報告書の抜粋が示している。
一方で、FOMCではベス・ハマック氏、ニール・カシュカリ氏、ローリー・ローガン氏の3人が、金利据え置き決定には支持を示したものの、声明文での緩和的な姿勢の明示には反対票を投じ、委員会内の分裂を鮮明にした。
この反対票は、利下げの早期示唆に対する委員会内の抵抗感が高まっていることを示す。
今回の賛否のレベルは1992年10月のFOMC以降で最も多い反対票となり、今後の金融政策の方向性への見解の深い対立を示唆している。
内部対立とあわせて、FRBは世界的リスクに慎重なトーンを強めた。FRB当局者は「中東での動きが高水準の不確実性に寄与している」と明記した。地政学的緊張の高まりが経済見通しを一層複雑にしている。
ジェローム・パウエル議長を含む大多数の委員は、景気は堅調な成長を続けている一方、インフレが高水準で推移しているとの認識を示した。
しかし、明確な緩和方向への言及がなかったことから、政策担当者がインフレ率の2%目標回帰に強い確信を持てていないことがうかがえる。
市場では金利据え置きがほぼ織り込まれていたが、今回の反対票増加とハト派的シグナルの削除により、年内の利下げ観測の修正を迫られる可能性がある。
ビットコイン価格は下落幅を拡大し、7万5000ドル台まで下落。典型的な「材料売り」となった。
政策担当者の分裂と世界的な不透明感の高まりを受け、FRBの決定は金融緩和への道筋がより複雑かつ長引く可能性を示し、今後発表予定の経済指標や次回会合に向けて投資家の警戒感が一段と強まる展開となった。





