ラウル・パル氏は、世界最大手のテクノロジー企業が人工知能(AI)への投資をほぼ無限に続けられると考えている。しかし、直近の決算はその野心のコストが増大している実態を示した。
アルファベットの株価は、AI投資の影響で四半期のフリーキャッシュフローがマイナス90億700万ドルとなり、水曜日の決算後に急落した。一方、マイクロソフトの株価は186億ドルのプラスとなり、上昇した。
この違いは、AI関連株の投資家にとって重要な疑問を投げかけている。ビッグテックは明確なリターンが見えるようになるまで、何百億ドルもの支出をどこまで続けられるか。
中国のAIバブルが崩壊し、株式市場が下落する中、この課題はより切実さを増している。関連記事
ラウル・パル氏がAI投資の上限はないと考える理由
リアル・ビジョンのラウル・パルCEOは、テクノロジー大手は過去数十年で最大規模のインフラ拡大を持続できる十分な財務基盤を有していると主張する。
「これは自己強化的なループだ」とパル氏は説明する。
同氏は、自社で開発したAI技術を活用し、生産性を高め、より多くのキャッシュフローを生み出す。その資金をさらにAIインフラに再投資する仕組みだと述べる。
パル氏は、彼らの負債比率は時価総額のおよそ3.5%程度と試算する。
「実質的にほとんど負債を抱えていない」と同氏は語る。
パル氏はこの拡大を鉄道ブームになぞらえ、35年間続いたことを引き合いに出す。計算能力への需要は今後も拡大すると見る。
AI関連株にとっての意味
投資家の直接的な懸念は、巨額の予算が十分な利益に結びつくかどうかだ。
アマゾンは2026年に約2200億ドルの支出を見込む。アルファベットも最大2050億ドルを予算化している。いずれもAI以外のインフラ投資も含む数字だ。
直近の決算は分極化を浮き彫りにした。
マイクロソフトのアジュールクラウドの売上高は48%増となり、投資家心理を支えた。アルファベットのクラウド収益は2倍以上に拡大したが、支出がキャッシュ創出を上回った。
両社ともAI分野を拡大しているが、株価への反応は大きく異なった。
債務拡大はAIブームのリスクとなるか
パル氏の楽観論にも、信用市場からの逆風が強まっている。
ユニオン・バンケール・プリヴェは、主要なハイパースケーラー5社が2026年に8200億ドルを投資すると試算。これは営業キャッシュフロー見通し7500億ドルを上回る。
イングランド銀行も、AIインフラ整備が借入や複雑な資金調達に強く依存しつつあると警鐘を鳴らしている。
今後も売上拡大が不可欠となる。借入コスト上昇はAI投資への圧力となり得る。
AI株の見通し
アマゾンの10月29日の決算が次の試金石となる。
クラウド需要の強さやキャッシュフローの改善が確認されれば、パル氏の主張の裏付けとなる。さらにキャッシュの消耗が続くなら、バリュエーションや今後の投資に疑問が生じる。
その影響は、MARAやCleansparkといったビットコインマイナーにも及ぶ可能性がある。これらの企業はAIインフラ事業の拡大を進めている。
元ビットメックスCEOのアーサー・ヘイズ氏は、AI投資の過剰拡大とその後の暴落、そして救済措置のリスクについて警告している。
投資家にとって、今後数四半期でAI事業の収益成長が巨額コストを支えられるかが試される。











