アーサー・ヘイズ氏は、株式ロック解除がSpaceX、Anthropic、OpenAIの上場後の株価を希薄化させると指摘した。その影響で人工知能(AI)向け与信が減少し、暗号資産の8月の反発を支えた銀行のバランスシートが縮小しかねないとの見方を示した。
ヘイズ氏は、ビットコイン(BTC)保有者はドルの流動性を通じてこの動きを感じていると主張している。信用創造は米連邦準備制度ではなく銀行が担っている。しかし、直近1週間の銀行バランスシートの減少は1件のデータポイントに過ぎないと認めている。
なぜ銀行のバランスシートがAI株と暗号資産を結びつけるのか
BitMEX共同創業者でファミリーオフィス「Maelstrom」を運営するヘイズ氏は、11月5日配信のニュースレターでこうした見解を示した。これは、同氏が以前指摘したビットコインに関するバランスシートの懸念に続くもの。
同氏は、銀行はAI分野への融資や、株式トレーダーへのマージン取引資金、自己勘定での株式購入を通じてAI融資を行っていると解説した。
したがって、株価が下落すれば、ラボの借入コストが上昇する可能性が高いと同氏は述べる。債権購入者が株価動向を参照しているためだ。
SpaceXの流通株式数は上場以降で50%増となったが、株価は頭打ちのままだと同氏は指摘する。
Anthropicは2027年6月までに上場を計画しており、その後83%の株式希薄化が想定されるという。評価額を1兆5000億ドルと見積もり、株価を維持するにはおよそ1兆2450億ドルの新規資本が必要となると計算している。
一方、同社の修正後IPO申請書によると、第3四半期の営業損失は5億6700万ドルだった。株式報酬や寄付などを除く調整後営業利益は24億6000万ドルとなった。
アーサー・ヘイズ氏はAI救済トレードに早すぎたか
ヘイズ氏は、信用不安が中央銀行のマネー印刷を促すと予想している。ビットコインに有利に働くとみており、忍耐が必要だと主張している。
一方、Real Visionのラウル・パルCEOは債務懸念を否定する立場だ。同氏によると、ハイパースケーラーの債務はそうした企業の時価総額の約3.5%に過ぎないという。
なお、ハイパースケーラーはAIデータセンターを構築するクラウド大手であり、ヘイズ氏が焦点を当てた3つのAIラボとは異なるカテゴリーとなっている。
同ニュースレターでは、MaelstromがAIプロジェクト「Genlayer」のトークン発行準備をアドバイスしている点にも言及している。また、未上場のAI向けブロックチェーン「Flop Network」が今後の受益者となる可能性にも触れている。
先月、ヘイズ氏は約2228万ドル相当の暗号資産を売却し、今後は静観する意向を表明した。
Anthropicの上場は、AIファイナンスと暗号資産の流動性が引き続き同じ銀行を頼るかどうかを試す試金石となる。











