チェイナリシスは暗号資産窃盗犯を追跡して利益を上げている。しかし今月、そのチェイナリシス自体が侵入被害を受け、AIエージェントが用いられた。
同社は顧客に対し、外部の攻撃者が「攻撃的なエージェントAI手法」を使い、システムに侵入したと伝えた。顧客には100以上の銀行や暗号資産取引所、政府機関が含まれる。自社スタッフの氏名が見知らぬ第三者の手に渡ったという。
ハッカーが持ち去ったもの
攻撃者は、ユーザーID、フルネーム、メールアドレス、職務ラベルを盗んだと、チェイナリシスが金曜日に発表した。
チェイナリシスは、ケースファイルやパスワード、ログインコード、セッショントークンの流出は確認されていないとしている。盗まれたのは「機微情報にはあたらない」と説明した。
「当社チームは、未承認の活動の調査、脆弱性の修正、システム強化のため、24時間体制で対応している」と同社 発表。
エージェントAIとは、自ら計画を立てて段階的にタスクを実行するソフトウェアである。侵入の過程でAIがどの程度自律的に動作したかについて、チェイナリシスは明らかにしていない。
また北朝鮮か
氏名と職務タイトルがあれば、攻撃者は標的を特定できる。
1人の標的がどれだけの損害につながるか、今週浮き彫りになった。バイナンスの初期調査では、過去最大規模となる63億ドルの盗難の発端が、1人のエンジニアのノートPCの侵害だったと判明した。
チェイナリシスは今回の侵害がバイナンスとは無関係だと説明する。しかし同社は盗難資金の追跡に関与している。ジョナサン・レビンCEOは北朝鮮に言及した。
「北朝鮮(DPRK)は再び同じ手口を使っている」とジョナサン・レビンCEO。
AIによる侵入、AIで対処
チェイナリシスは外部のセキュリティ専門家を招いている。さらに、チャットボットに使われる大規模言語モデルも活用し、システムの脆弱箇所を探しているとCybersecurity Newsが報じた。
暗号資産業界では過去にも類似の情報流出が起きている。2020年にはウォレット大手のLedgerが100万件超の顧客メール情報流出を公表し、フィッシング詐欺に警戒するよう利用者に呼びかけた。
AIで侵入した攻撃者に、AIで対処するチェイナリシス。顧客は今も、自身のどの情報が盗まれたか通知を待っている。











