伝説的なマクロ投資家でヘッジファンドマネージャーのポール・チューダー・ジョーンズ氏は、主要AI企業による新規株供給の急増を理由に、2027年が米国株にとって厳しい年となる可能性を警告した。
同氏は、上場案件の急増がビットコインを含むリスク資産の見方を投資家が見直す契機になると指摘した。
株式供給が株式市場の追い風から逆風に転じる理由
直近の4年に及ぶブルランの多くの期間で、自社株買いやM&Aが流通株数を減らしてきたが、こうした支援は減少傾向にある。特に人工知能(AI)分野を中心に大型テクノロジー企業の新規上場が市場に押し寄せる見通し。
ジョーンズ氏は、アンソロピックやOpenAIのIPOやセカンダリーオファリング、最近のスペースX関連の取引、AIインフラ資金調達を目的とした追加的なセカンダリー売却など、複数の新規供給源を例示した。
同氏は、1990年代後半から2000年代初頭のIPO活況やロックアップ解除局面が空売り投資家に有利に働いた過去と類似点があると述べた。
「2027年は株式市場にとって極めて困難な年となるだろう。2002年以来となるほど米国株市場へのマイナス資金フローが予想される」ジョーンズ氏はCNBCで語った。
同氏は市場の割安感が限定的であることから、今年一年ショートポジションを維持する見通しを示した。AI主導の上昇トレンドがあと1年から2年続く可能性は認めつつも、バリュエーションに慎重姿勢を崩していない。
株式市場が低迷すればビットコインは恩恵を受けるか
株式市場が厳しい状況となれば、ビットコインの下支え要因となる可能性がある。過去には株式市場がストレスを受けた時期、資本が希少性の高い無相関資産に向かう場面もあった。
発行上限が2100万枚であるビットコインと、ジョーンズ氏が予見する新興株式の大量発行とは対照的な構図。伝統的資産市場が過剰供給と高金利に直面すれば、ヘッジ手段として暗号資産に資金が向かう可能性もある。
「金は毎年数%ずつ供給が増える。一方、ビットコインはマイニングできる量に限りがあり、分散型である。この点で最大の希少価値を持つ資産といえる」とジョーンズ氏は以前に指摘した。
金と並びポートフォリオに組み込まれる事例の増加も、こうした見方を後押しする。ジョーンズ氏が原油のロングポジションを持つことも、株式以外に収益源を求めている姿勢を示す。
ただし、リスク資産全体の売りが加速すれば、ビットコインも下落するリスクは残る。ビットコインがリスク資産と高い相関を維持している以上、今後の動向は不透明。
今後の値動きは、機関投資家や個人投資家が株式市場の下落局面にどのように対応するかにかかっている。









