フランスのスーパーマーケット数百店舗で、冷凍・冷蔵設備を標的とした大規模なサイバー攻撃が発生した。ハッカーが温度管理システムに不正侵入し、食品売り場の冷凍設備内の温度を最大50度まで上昇させた。冷凍食品の品質に深刻な影響を及ぼす異例の事態となった。
被害状況:
- 数百店舗が影響。 カルフールは80店舗に被害があったと発表。インターマルシェを傘下にもつレ・ムスケテールは約150店舗とした。
- 何百万ユーロ分の食品が廃棄。 生鮮・冷凍の在庫が全て台無しになった。
- 火災も発生。 ロイターによると、複数店舗で火災が発生した。
セバスチャン・ルコルニュ首相は12日、仏国家サイバーセキュリティ庁(ANSSI)に調査を指示したと、首相府関係者が明らかにした。
フランスだけではない:日本や韓国でもサイバー攻撃が深刻化
今回の冷凍庫への攻撃は、ここ数週間相次ぐサイバー攻撃の中でも異例の例である。特にアジアが被害を受けている。
日本:「サイバースペース上の非常事態」
- 過去数週間で20社以上の大手企業がサイバー攻撃を公表したとフィナンシャル・タイムズが報じた。
- 自民党のサイバーセキュリティ対策本部長を務める平将明氏は、サイバースペース上の非常事態だと述べた。
- ロイターは、トレンドAIのデータを引用し、日本で2026年1〜9月のサイバーインシデント件数が2025年通年を上回ったと報じた。
韓国:銀行が被害、AIの関与が疑われる
- 金融機関で顧客数万人分のデータが流出した。
- イ・ジェミョン大統領はAI(人工知能)モデルが使われた可能性が高いと警告した。
- クラウドストライクは、オープンソースのAIペネトレーションテストツールと大規模言語モデルを併用した攻撃者との関連を指摘した。
ウォール街、サイバー株の上値余地で見解分かれる
AI関連の脅威が強まり、投資家がサイバーセキュリティ株に資金を振り向ける動きが続く。ソウルでは火曜日にその傾向が鮮明となった。KOSPIは5.46%下落。AIブームへの懸念から半導体株が売られた。
SKハイニックスは10.09%下落。サムスン電子も7.39%安だった。一方、サイバーセキュリティ企業のAhnLabは10.51%高と逆行高。ジニアンズも上昇した。
東京市場でも同様で、日経平均は1.82%下落。サイバーセキュリティクラウドは12.97%高の4180円となった。
AhnLabとジニアンズは10月6日に大きく上昇。銀行へのサイバー攻撃を受け、セキュリティ投資増への期待が高まったためと、ヘラルドビジネスが報じた。フィッチのカレン・ウー上級アナリストも業界全体でセキュリティ投資が拡大し、規制当局による罰金や賠償費用も増えると予想している。
米国でもAI主導の脅威が意識され、こうした一連の攻撃以前からセキュリティ関連株は上昇していた。First Trust Nasdaq Cybersecurity ETF(CIBR)は年初来で約50%のリターンを記録した。
アナリストは、今後の需要拡大余地について意見が分かれる。モルガン・スタンレーは、企業のAI投資のうちAIセキュリティ向けは約1.5%に過ぎず、さらなる伸び余地があると指摘。パロアルトネットワークスの目標株価を394ドルから410ドルに引き上げた。
一方、バーンスタインはより慎重で、9月17日にパロアルトネットワークスを格下げ。その理由は、株価上昇で既に公正価値付近か、行き過ぎているとの判断。
韓国での事例は、AIが攻撃者にとってのハードルを下げるという警告に現実的な例を加えるもの。不正アクセスの増加がより大きなセキュリティ予算へとつながるかどうか、今後発表される四半期決算で明らかになる見通し。
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