金とビットコイン(BTC)は下落し、ドルは急騰した。米国の雇用統計が10月に16万5000人分の新規雇用を示し、予想のほぼ3倍となったためだ。FRB(連邦準備制度理事会)会合を5週間後に控え、市場ではすでに利上げが織り込まれている状況。
市場の動きは小幅だが、すべて同じ方向を指していた。力強い雇用の伸びはFRBの利上げ余地を広げ、ドルの上昇と金やビットコインのような無利息資産への逆風となる傾向。
金、ビットコイン、ドルは雇用統計にどう反応したか
金が最も大きく下落した。日本時間午後9時30分(米東部時間午前8時30分)の発表直後、1オンスあたり約4032ドルまで下落した。直前はおよそ4062ドルだった。その後は4050ドル程度まで回復した。
この下落は長期下落トレンドの延長線上にある。BeInCryptoは、金価格がピークから31%下落した局面を追跡している。31%下落。
BTCは乱高下した。一時7万6100ドルを上回り、その後7万5600ドル程度まで下落した。その後、バイナンスでは7万5780ドル近辺で推移し、発表前比で約0.2%安となった。
一方、米ドル指数(DXY)は主要6通貨に対し102.22付近まで急騰した。その後は102.14付近で落ち着き、発表前の102.07から上昇した。
米株式市場は米東部時間午前9時30分に始まったが、新たなショックの余地は小さい。ナスダック総合指数は木曜日に5.52%下落し、ナスダックの調整局面に突入した。S&P500は7,353.73で引けた。
なぜ堅調な雇用が金とビットコインを押し下げたか
結果は幅広い分野で予想を上回った。エコノミストは5万9000〜6万5000人の増加を見込んでいたが、労働統計局(BLS)は16万5000人と発表した。失業率は4.1%となり、予想の4.2%を下回った。
前月までの実績も堅調だった。8月と9月は合計8万4000人上方修正となり、直近3カ月の採用平均は約13万7000人まで上昇した。
賃金の上昇も加速した。平均時給は10月に0.4%上昇し、前年同月比3.1%増。いずれも予想(0.3%、2.9%)を上回った。
発表前にバークレイズは、失業率が4.1%、雇用増が小幅なら12月利上げの可能性が残るとの見方を示していた。10月は失業率4.1%、そして「小幅」を大きく超える雇用増だった。
12月のFRB利上げは確定したのか
データだけで決まったわけではない。CME FedWatchによると、発表前時点で12月8日・9日会合の利上げ確率は67%。記事執筆時点では76.8%に上昇している。
FRBは9月に3年ぶりの利上げを実施し、10月28日は政策金利を3.75%〜4.00%のレンジで据え置いた。
雇用統計だけが材料ではない。9月の弱い2万9000人増の後でも、利上げ観測は1カ月で42%から73%まで上昇したとKiplingerは伝えている。
一部アナリストは、さらに高いハードルを示している。MUFGは、持続的な債券売りが起きるには20万人増と失業率低下が必要と指摘した。10月の16万5000人増はこの水準には届かなかった。
金・ビットコイン保有者が12月9日までに直面するもの
BeInCryptoは今週初め、今回の雇用統計をビットコインにとって大きな3つの試練の1つに挙げていた。残りは中間選挙と中銀の政策決定だ。CNBCのジム・クレイマー氏も、この統計が中間選挙後の相場上昇を試すことになると警告していた。
FRBの12月会合では新たな金利見通しが示される予定だ。ここで追加利上げか長期的な金融引き締め路線かが明らかになる。これは米世帯の借入コストや、金・ビットコインが取引されるドルの方向性を決める点でも注目を集める。











